「ボンド 木工用」をつくるコニシ。中間決算から見る接着剤業界の現在地は、原料高と供給不安のなか、価格改定と安定供給が利益を支えた局面です。売上増には4月の駆け込み需要も含まれ、すべてを最終需要の拡大とは読めません。

主要数値|2027年3月期中間期(2026年4~9月、日本基準・連結)。特記以外は前年の同じ6か月との比較
・売上高737.68億円(+12.6%)、営業利益73.58億円(+59.2%)
・ボンド事業の外部売上402.67億円(+9.8%)、セグメント利益53.91億円(+69.1%)
・全社営業利益率は約7.1→10.0%(公表値から計算)
・営業CFは66.09→51.89億円。CF上の売上債権・契約資産は18.52億円増、棚卸資産は15.09億円増
数字の読み方・業界への示唆
会社は、4月に供給不安を背景とした駆け込み需要が発生し、その後は原料高を反映した価格改定と、欠品防止のための出荷調整を行ったと説明しています。値上げと供給対応が売上・利益を支えた一方、販売数量や単価それぞれの寄与額はこの資料から分解できません。増収率をそのまま需要増加率とはしません。
全社の売上総利益は131.87→160.41億円に増え、販管費は85.65→86.83億円。粗利益の増加に対して販管費の増加が小さく、営業増益につながっています。ただし価格改定だけの効果額は特定できません。
利益が増えても営業CFは減少。売掛金等と在庫への資金滞留、税支払いが影響し、仕入債務の増加は資金を支えています。利益の改善と現金化の進み方を分けて確認します。
接着剤の需要を見るには、売上金額だけでなく、数量・顧客在庫・供給制約の解消も重要だと示唆されます。ただし駆け込みや安定供給の効果は同社の顧客・製品構成にも左右され、業界全体の回復とは断定しません。
次に確認する点
①駆け込み需要の反動と原料供給の変化を経ても、販売と利益率を維持できるか。②売掛金・在庫の回収が進み、増益が営業CFへつながるか。
対象・比較条件
コニシ(4956)/2026年10月28日11:30発表。公式製品ページで国内酢酸ビニル系エマルジョン形接着剤の2022年販売実績・数量ベースNo.1を確認(富士経済「2024年 粘・接着剤市場の将来展望」を出典として会社が公表)。接着剤全体や2026年現在の市場占有率を示すものではありません。
中間営業利益73.58億円は、4月24日公表の会社中間予想53.50億円を20.08億円・37.5%上回りました。通期営業利益予想は115→140億円(+25億円・21.7%)へ上方修正、売上予想1,500億円は据え置き。会社の正式な中間予想との比較で、年間計画の単純按分やコンセンサスではありません。通常の判定投稿とは別の業界分析です。
出所:本日公表の決算短信・予想修正、公式製品情報。会社IRの決算短信一覧は確認時点で中間期資料の掲載未反映のため、当日の実績はTDnet公表PDFを使用。
確認:2026年10月28日
一次資料
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261027557255.pdf
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261027557259.pdf
https://www.bond.co.jp/bond/industry/wood/
https://www.bond.co.jp/bond/detail/item/info/productcd/10004/root/1
https://www.bond.co.jp/ir/library/earnings/
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