物置やカラー鋼板を手掛けるヨドコウは、中間期の最終利益が前年同期比65.8%増えました。ただし、通期の営業利益予想は引き下げています。本業のコスト増と、海外事業の持分譲渡による利益押上げを分けて読む決算です。
2027年3月期中間期(2026年4月1日~9月30日)、日本基準・連結。売上高は1,064.77億円、前年同期比4.5%増。営業利益75.40億円、3.1%増に対し、親会社株主帰属の中間純利益は100.19億円、65.8%増でした。基本EPSは69.94円です。希薄化後69.84円とは区別します。
日本国内では鋼板の販売数量が増えましたが、亜鉛価格高騰等により利益面は減益。台湾子会社SYSCOは販売数量が減る一方、前年に強く受けた関税影響の反動もあり増益となりました。会社全体の増益だけでは、国内外の採算の違いが隠れます。
会社は通期予想を、売上高2,120.00億円→2,100.00億円、営業利益129.00億円→115.00億円へ修正。原材料コストが想定を上回ることを営業減益の要因に挙げています。一方、親会社株主帰属の当期純利益は118.00億円→131.00億円、基本EPSは82.37円→91.43円へ引き上げました。純利益にはYSS社の持分譲渡による影響があると説明しています。年間配当予想も62円→69円です。
会計士が気になった点:営業利益と最終利益の修正方向が逆です。最終利益の上方修正を、そのまま鋼板や建材の採算改善と読むことはできません。連結営業CF表は今回短信に掲載がなく、補足資料の営業CF68.29億円は個別の数値なので連結値として使用しません。利益の現金化は、対応する連結CFを確保してから確認します。
次は、亜鉛・塗料等の調達価格と価格転嫁、日本と台湾の数量・利益の推移を確認します。中間期の増益や今回の予想だけから、鉄鋼業界全体の需要回復を断定するものではありません。
判定と比較元:参考良好。発表前に有効だった8月6日公表の年間会社計画は売上高212,000百万円・基本EPS82.37円。その50%は106,000百万円・41.185円で、中間期実績106,477百万円・69.94円がそれぞれ477百万円(約0.4%)・28.755円(約69.8%)上回りました。これは会社通期計画の単純按分・季節性未調整で、市場コンセンサス超過を意味しません。同時発表の新計画へ比較元をすり替えません。
8月6日に会社が直接示した中間期予想は売上高107,000百万円・基本EPS55.85円です。実績の売上高はこの直接予想に523百万円未達、EPSは14.09円超過でした。「中間期の会社予算を双方上回った」とはしません。参考良好と直接予算の達否は別の比較です。
厳格判定は発表前の同一期間・同一定義の直接市場コンセンサス未取得により対象外。次点判定はコンセンサス不存在未確認に加え、翌年度12か月会社予想が未公表のため対象外です。当期の直接会社条件は売上未達・EPS達成、翌年度条件を当年度予想の単純倍等で補いません。2025年7月1日の1株→5株分割は実績と比較元の双方に反映済みです。
出所:決算短信・会社開示。確認:2026年11月4日。
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