
工場・プラントの制御システムや測定器を手掛ける横河電機。AIデータセンター関連の測定器は伸びましたが、主力の制御事業は増収減益です。円安で押し上げられた売上と、粗利率・人件費による採算変化を分けると、全社増収だけでは見えない明暗が表れます。
2027年3月期中間、2026年4月1日~9月30日、日本基準・連結。売上2819.96億→2982.29億円、5.8%増、営業利益390.04億→357.39億円、8.4%減。営業利益率は約13.8%→12.0%へ低下。親会社株主帰属利益230.65億円、21.5%減、EPS91.71円です。前年中間値は企業結合の取得原価配分見直しを反映しています。
制御事業は売上2759.12億円、4.3%増でも営業利益298.27億円、17.3%減。測定器事業は売上213.28億円、40.7%増、営業利益61.68億円、105.9%増でした。会社はAIデータセンター関連需要の増加を説明しています。測定器の強さを主力制御も含む全製品の好調へ一般化しません。
会社の億円丸め分析では、為替が売上を208億円、営業利益を52億円押し上げました。為替影響を除いた売上は46億円、1.6%減、営業利益は84億円、21.6%減。営業利益の減少要因は為替除き減収による粗利減22億円、粗利率悪化21億円、販管費増42億円で、人件費増等を含みます。円換算増収を実需の同率成長とみなしません。
受注は会社丸めで3004億→3656億円、21.7%増。為替影響除きでも12.9%増で、制御の国内外小口案件と測定器の伸長が寄与しています。ただし受注と売上の実現時期は異なります。受注増と当期利益率低下は両立し、今後の案件構成や原価管理が重要です。
会計士の読み方:営業CFは358.30億→368.44億円へ増加。売上債権の減少156.13億円が流入となる一方、在庫増50.24億円、仕入債務減105.09億円、税金支払117.16億円は流出です。減益でも回収時期でCFが増え得るため、CFの増加を粗利率改善とは呼びません。投資CFはマイナス156.95億円でした。
通期計画は売上6150億→6290億円、営業利益850億→880億円、親会社利益585億→605億円へ上方修正。営業利益の増額30億円は測定器90億→120億円によるもので、制御765億円は据え置きです。年間配当92円、為替前提1ドル150円も据え置き。上期減益と通期計画引き上げは比較相手が異なります。
業界への示唆:制御・計測分野ではAI関連投資の追い風と、主力案件の採算・費用負担が同時に表れます。一社で業界全体を断定せず、次は制御の受注を売上・利益へ転換する力、測定器の需要持続性と粗利率を確認します。
対象・判定根拠:11月4日の日経公式構成で6841を確認。厳格は発表前直接市場コンセンサス不足、次点は直接中間売上・EPS会社予算等の必要入力未確認で判定不能。参考良好は発表前5月通期計画の単純50%=売上3075億円・EPS114.875円に対し、実績2982.29億円・91.71円で非該当。季節性未調整の参考進捗で、直接の中間予算や市場予想ではありません。
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