大和証券の決算から見る、証券業界の現在地:残高収益の成長と相場変動を分ける

大和証券の決算から見る、証券業界の現在地:残高収益の成長と相場変動を分ける

ラップ口座や資産運用・証券取引を提供する大和証券グループ。中間決算は資産残高を基にした収益の拡大を示す一方、直近四半期には市場調整や売却益の変動が残ります。半期の好調と足元の減速を分けて見る必要があります。

目次

主要な事実・数字

2027年3月期中間の純営業収益は4,443.01億円(前年同期比35.5%増)、営業利益1,484.27億円(72.5%増)、経常利益1,663.52億円(69.9%増)でした。金融費用控除前の営業収益8,654.54億円とは区別します。

会社定義のベース利益はWM・証券AM・不動産AMの経常利益合計で1,252億円(60.2%増)。WMの残高ベース収益は742億円で過去最高でした。これは全社利益やすべてが相場に無関係な利益を意味しません。

7〜9月の経常利益は782億円で、4〜6月比11.2%減。純営業収益は2,239億円で1.6%増、親会社株主純利益は514億円で8.8%減と、収益と利益の方向が分かれました。

大和ネクスト銀行の中間経常利益は219億円(117.8%増)。オリックス銀行は7〜9月の3か月分から連結しており、前年同期と事業範囲が同一ではありません。

会計士の読み方

会社は7〜9月のWM本部について市場調整の影響、AMではオルタナティブAMのキャピタルゲイン減少を説明しています。残高ベース収益が増えても運用残高は相場価格で動き、グループ利益には市況・投資収益・銀行の金利収益が混在します。銀行連結の増加分を既存証券事業の自然成長と同一視しないことが重要です。

業界への示唆

証券業では取引手数料だけでなく、預かり資産の積上げと収益源の分散が重要になることが示唆されます。ただし銀行買収やWM・AMの構成は同社固有で、1社の増益率を業界全体へ広げることはできません。

次に確認する点

資金の純流入と相場による残高変化を分け、残高ベース収益が続くかを確認します。同業比較では銀行連結・売却益等の範囲と期間をそろえます。通期業績予想は非公表で、会社予算を上回ったとは判定しません。

対象・出所

大和証券グループ本社(8601)/2027年3月期 中間(2026年4月1日〜9月30日)/日本基準・連結/2026年10月30日発表。確認:同日12時台(JST)。

選定根拠:日経公式の2026年10月30日構成銘柄一覧に8601の掲載を確認。市場シェア首位の推定は選定根拠にしていません。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261029559619.pdf

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261030560675.pdf

https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/component?idx=nk225

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