大型LNGプラントなどを手掛ける千代田化工建設は、通期の利益予想を大幅に引き上げました。ただし中間期の営業CFは赤字です。完工済案件の追加収益による利益と、工事代金の受取・支払のタイミングを分けると、業績の実態が読みやすくなります。
2027年3月期中間期(2026年4月1日~9月30日)、日本基準・連結。売上高は1,808.56億円で前年同期比7.1%減、営業利益161.26億円で3.3%増、親会社株主帰属の中間純利益180.24億円で2.5%増でした。基本EPSは51.43円、希薄化後22.28円とは区別します。基本EPSは前年63.79円から低下しており、純利益と同じ伸び方ではありません。
会社は、海外完工済案件の追加収益や国内先端素材関連の主要案件の進捗、固定費適正化を説明しています。受注工事高は1,076.47億円、前年同期比32.7%減、受注残高は5,296.10億円、前期末比13.6%減でした。今回の増益だけから、受注や将来売上が一様に拡大しているとは読めません。
通期会社予想は売上高3,400.00億円→4,000.00億円、営業利益100.00億円→265.00億円、親会社利益120.00億円→280.00億円、基本EPS26.70円→88.42円へ修正しました。会社は案件の着実な進捗、海外完工済案件の追加収益、中近東地域の既存設備関連の受注状況等を要因に挙げています。
会計士が気になった点:営業CFは前年119.52億円の流入から139.15億円の流出へ変わりました。CF表では契約負債の減少355.31億円、仕入債務の減少197.88億円が流出要因です。一方、売上債権の減少109.49億円やジョイントベンチャー持分資産の減少234.48億円は資金の回収に寄与しました。工事進捗に基づく収益計上と、前受金・仕入代金等の現金収支には時期の差があるため、営業増益をそのまま現金収入の増加とは扱えません。
財務CFは758.27億円の流出でした。6月30日のA種優先株式1億1,040万株の取得・消却551.11億円や借入金返済などを含み、営業CFとは別の資金移動です。優先株の取得を普通株の株式分割と混同せず、EPSは会社が直接開示した基本値を使います。会社予想のEPSにもA種優先株の影響を加味したとの注記があり、純利益を普通株数で割って別のEPSを作りません。
次は大型案件の進捗と採算、追加収益の継続性、受注残の補充、契約負債・債権・債務の動きと営業CFの回復を確認します。会社はカタール案件で一時停止等への対応後に以前の工事進捗水準へ回復し、中間期の業績影響は軽微と説明していますが、一社の説明からLNG建設業界全体の状況は断定しません。
判定と比較元:参考良好。発表前に有効だった年間会社計画は売上高340,000百万円・基本EPS26.70円で、8月3日Q1と8月6日レビュー完了通知が維持を確認できる資料です。その50%は170,000百万円・13.35円。中間期実績はそれぞれ10,856百万円(約6.4%)・38.08円(約285.2%)上回りました。会社通期計画の単純按分・季節性未調整であり、会社が直接示した中間期予算や市場コンセンサス超過を意味しません。本日同時発表の新予想を前比較元には使いません。
厳格判定は発表前の同一期間・同一定義の直接市場コンセンサス未取得のため対象外。次点判定はコンセンサス不存在未確認に加え、翌年度12か月会社予想が未公表のため対象外です。記載した通期予想は当年度2027年3月期であり、翌年度予想の代わりにしません。
出所:決算短信・会社開示。確認:2026年11月4日。
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