
携帯電話のドコモ、光回線やデータセンターを手掛けるNTT。中間決算は増収減益ですが、足元のドコモ販売を反映して通期利益計画を上方修正しました。さらに銀行を含む連結CFが大きく変わっており、通信事業の稼ぐ力だけで説明しないことが重要です。
会社表示の2026年度中間(2027年3月期)、2026年4月1日~9月30日、IFRS・連結。営業収益6兆7727.13億→7兆3621.54億円、8.7%増。営業利益9450.29億→8300.73億円、12.2%減、計算した営業利益率は約14.0%→11.3%。親会社帰属利益5956.51億→5001.93億円、16.0%減、EPS7.20円→6.15円です。
会社説明資料では総合ICTの売上3兆2821億円・利益4821億円、グローバル・ソリューションの売上2兆6168億円・利益1442億円、地域通信の売上1兆5442億円・利益1882億円と表示しています。セグメント間取引を含む会社の億円丸め値で、売上・利益を単純合計して連結値にしません。グローバル事業と国内通信を分け、関係会社株式売却益等の前年反動も見る必要があります。CF調整表の関係会社株式売却益は前年1296.77億円に対して今回は126.48億円でした。
会計士の読み方:連結営業CFは9777.50億→463.62億円。営業債権等増7116.02億円、在庫増1809.79億円が資金流出です。さらに銀行貸出金増3888.55億円、銀行預金増3064.99億円など金融事業の資金も含みます。銀行預金を通信売上、貸出増を通信設備投資と読み替えません。銀行の前年比較欄は「-」で、事業範囲の違いにも留意します。
銀行の利息・配当受払は、金額的重要性によりCF小計の中から受取・支払の各項目へ表示を変更し、前年のカード利息損益も組み替えています。これは表示方法の変更であり、それ自体が連結営業CF総額を増減させる説明ではありません。会社説明資料には銀行連結影響等を除く別のCF図もあり、連結463.62億円と同じ範囲として混ぜません。
通期計画は営業収益15兆600億→15兆800億円、営業利益1兆7100億→1兆7300億円、親会社帰属利益9800億→9940億円へ修正。会社は総合ICTの販売好調を反映したと説明しています。同時にネットワーク品質改善等の設備投資計画は2兆4300億→2兆4730億円へ増額。上期の前年減益と、当初計画に対する上方修正は両立します。
業界への示唆:通信グループの成長領域は金融・IT・データセンターにも広がり、連結の増収率やCFだけでは既存通信の需要を判断できません。ただしNTT一社で通信業界全体を断定しません。次は各事業の利益率、債権回収と投資負担、銀行を除く比較可能なCFを確認します。
対象・判定根拠:11月4日の日経公式構成で9432を確認。厳格は発表前直接市場コンセンサス不足で判定不能。次点は同一中間期の直接会社売上・EPS予算と必要な年度比較資料未確認で判定不能。参考良好は発表前の5月通期売上計画15兆600億円の単純50%=7兆5300億円に対し、実績7兆3621.54億円が未達のため非該当。季節性未調整の参考進捗で、市場・中間会社予算との比較ではありません。
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