
がん治療剤PADCEVやXTANDIを手掛けるアステラス製薬。重点製品の拡大と円安で増益となり、通期計画も上方修正しました。ただし会社のコア利益とIFRS営業利益は異なり、増益率ほど営業CFは増えていません。製品の成長、開発資産の費用化、現金化を分けて読みます。
2027年3月期中間、2026年4月1日~9月30日、IFRS・連結。売上収益1兆301.14億→1兆2708.61億円、23.4%増、営業利益1993.78億→3165.56億円、58.8%増。営業利益率は約19.4%→24.9%。親会社所有者帰属利益2416.77億円、63.7%増、EPS134.83円です。
会社はPADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATAの拡大を主な増収要因としています。XTANDIの売上も会社丸めで4770億→5337億円、11.9%増。一方、前年と同じ為替なら売上993億円、コア営業利益412億円少なかったという会社試算で、円換算の伸びをすべて現地数量増とみなしません。
コア営業利益は2826.32億→4249.28億円、50.3%増。販管費は6.6%増、研究開発費は17.0%増で、会社は費用最適化の一方、開発進展や為替による費用増も説明しています。コアは無形資産償却・減損など会社が定める調整項目を除く独自指標で、IFRS営業利益3165.56億円との違いを残します。
会計士の読み方:フルベースには無形資産償却713億円、その他費用382億円(いずれも会社丸め)が含まれます。その他費用には開発中止したASP5541の無形資産減損264億円を計上。取得・開発した資産の将来収益見通しを見直す費用で、当期の売上減や同額の現金支払を意味しません。ただし投資の回収可能性を見るうえで省けない情報です。
営業CFは会社丸めで2701億円、前年同期比125億円減。法人所得税の支払854億円は381億円増加しています。増益と税金支払・回収時期の違いを確認します。投資CFはマイナス819億円、財務CFはマイナス2304億円で、借入等の返済や配当も含みます。営業利益やコア利益をそのまま現金創出額としません。
4月公表計画に対し、通期売上は2兆2200億→2兆3300億円、IFRS営業利益3950億→4600億円、親会社利益3000億→3500億円へ上方修正。コア営業利益は6200億→7000億円。会社はPADCEV・ミラベグロンの進捗、為替、費用管理を反映したと説明しています。年間配当80円は据え置きです。
業界への示唆:医薬品では主力品・新薬の販売成長に加え、開発成功率、買収資産の償却・減損、為替が利益を左右します。一社で業界全体を断定せず、次は製品別の現地通貨成長、開発資産の回収、コアとIFRSの差の推移を確認します。
対象・判定根拠:11月4日の日経公式構成に4503を確認。厳格は発表前直接市場コンセンサス不足、次点は直接中間会社売上・EPS予算等の必要入力不足で判定不能。参考良好は発表前4月計画の単純50%で売上1兆1100億円・フルベースEPS83.73円に対し実績1兆2708.61億円・134.83円で両方を上回ります。季節性未調整の参考良好で、直接中間予算や市場コンセンサスの超過とは呼びません。コアEPSとの混用もしていません。
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