本記事は2026年11月5日発表の決算を分析したものです。外部接続の利用上限により、ブログの公開は2026年11月6日となりました。
白蟻防除や湿気対策のアサンテ。中間期は会社計画を上回り通期予想も引き上げましたが、前年同期比では減収・営業減益でした。春から夏に利益が偏る事業のため、『上期利益が通期計画を超えた』だけで通期の追加上振れを判断できません。
2027年3月期中間、2026年4月1日~9月30日、日本基準・連結。売上79.34億→75.48億円、4.9%減。営業利益8.09億→6.30億円、22.2%減、営業利益率は10.2%→8.3%に低下。親会社株主帰属利益3.91億円、27.4%減、基本EPS40.10円でした。以下の億円表示は会社の百万円表示を換算しています。
サービス別では、白蟻防除36.73億円、0.7%減に対し、湿気対策15.05億円、11.7%減、地震対策12.66億円、21.3%減。害虫・害獣対策などを含むその他は11.02億円、19.8%増でした。白蟻以外の構成変化も採算を左右するため、全社減収を白蟻需要だけの問題にはしません。
会社補足の百万円丸めでは、売上総利益55.80億→51.90億円、販管費47.70億→45.59億円。販管費を抑えたものの、粗利減を補えず営業減益となりました。一方、直接中間計画の売上74.00億円・営業利益3.60億円・基本EPS20.46円に対し、実績はそれぞれ1.48億円・2.70億円・19.64円上回っています。会社は申込調査件数の増加、害虫・害獣対策の伸長、マーケティング効率向上と諸経費抑制を説明しています。
平均人員は984人から1024人へ4.0%増えましたが、月当たり一人売上は134.3万円から122.8万円へ8.5%減でした。人材確保と処遇改善は将来の供給力に結び付く一方、採用だけで直ちに売上・利益が増えるわけではありません。調査から施工への転換や、育成後の生産性を確認する必要があります。
会計士の読み方:営業CFは4.01億→4.91億円へ増加し、減益とは逆方向でした。売上債権は前年の1.78億円の増加・資金流出から、当期0.84億円の減少・回収へ変化。法人税等の支払も2.25億→1.35億円へ減りました。利益の回復だけでなく、回収・納税時期がCFを支えています。
通期計画は売上136.60億→138.50億円、営業利益2.00億→4.50億円、基本EPS3.58円→21.49円へ上方修正。それでも営業利益は前年8.35億円を46.1%下回る計画です。上期営業利益6.30億円が通期4.50億円を超えるのは、会社が5月をピークとする4~7月頃の白蟻活動と上期偏重を明示し、構造改革や成長投資も継続するためです。通期との差を単純計算すると下期は約1.80億円の営業赤字を織り込む形ですが、これは会社予想同士からの計算で、確定実績ではありません。年間配当62円は据え置きです。
業界への示唆:既存住宅の維持管理需要があっても、施工する人員、サービス構成、顧客の申込み時期で収益は変わります。一社で住宅保全業界全体を断定せず、次は人員増が一人売上と施工生産性につながるか、湿気・地震対策の落ち込みを他サービスで補えるかを見ます。
対象・判定根拠:公式のシロアリ防除ページに全国シェアNo.1、住宅用シロアリ防除トップの表記を確認。出典は会社が引用する東洋経済「会社四季報」2026年2集で、元データ年・率・数量/金額基準は当該ページに記載がなく、住宅保全全体や世界の首位へ広げません。厳格は発表直前の同期間の直接市場コンセンサス未取得で判定不能。次点は翌年度12か月の会社予想が今回資料に公表されていないため対象外です。参考良好:発表前の通期売上136.60億円・基本EPS3.58円の単純50%=68.30億円・1.79円を、中間実績がともに上回りました。会社通期計画の単純按分・季節性未調整で、市場コンセンサス超過を意味しません。とりわけ上期偏重が強いため、直接中間計画と分けて読みます。
2026年11月5日発表・同日確認。
一次出所:
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261003545598.pdf
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261003545600.pdf
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261030561228.pdf
https://www.asante.co.jp/
https://www.asante.co.jp/ir/
https://www.asante.co.jp/termite/
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