建機レンタルや航空機リース、資源取引を展開する住友商事。中間決算は最終増益でも税引前は減益でした。税効果による押し上げと、事業そのものの伸びを分けると商社の収益構造が見えてきます。
2027年3月期中間(2026年4~9月、IFRS連結)、11月2日13:00発表。収益は3兆5,371.87→3兆9,185.61億円、10.8%増。粗利益は7,066.56→7,682.98億円、約8.7%増で、粗利率は約19.98→19.61%。税引前利益は3,724.01→3,449.59億円、7.4%減の一方、親会社利益は3,012.35→3,478.65億円、15.5%増です。税前利益を営業利益の代わりにはしません。
法人所得税は前年の費用411.35億円に対し、当期は収益156.89億円。会社はマダガスカルニッケル事業売却に伴う税効果を説明しています。有価証券損益はマイナスで、税効果だけを見て売却取引全体が同額の利益を生んだとはいえません。
親会社利益の事業別では輸送機・建機403.11→498.89億円、資源316.03→543.70億円に対し、自動車534.41→235.10億円、都市総合開発440.74→319.90億円。航空機リースの利益貢献、建機レンタル改善と、前年のタイヤ事業売却・不動産引渡しの反動が併存します。前年の事業区分は組替後です。
営業CFは2,621.64→1,305.12億円、投資CFはマイナス4,490.82億円。損益上の税収益に対し、法人税等支払額は624.97億円です。税効果と現金の納税額の時間軸は一致しません。航空機リース買収等の投資負担も、営業CFの良否とは分けて検討する必要があります。
会社説明資料は基礎的収益を2,590→3,340億円、資産入替関連及び特殊損益を430→130億円と整理しています。基礎的収益は会社定義でIFRSの別勘定ではなく、資源価格や為替の影響も含むため、全額を有機的な本業成長とみなしません。通期親会社利益予想は6,300→6,700億円へ6.3%増額、年間配当予想は分割後40→44円。
会計士の読み方:最終利益、税前利益、会社の基礎的収益、現金の四つの見え方を照合したい決算です。商社では資産入替や持分法・税効果が大きく、収益成長率だけを同業の実力順位に置き換えられません。次は税効果の剥落後の採算と、新規投資の収益貢献・負債負担を確認します。
日経225公式構成で選定。EPS73.35円は2026年7月1日の1対4分割を前年にも遡及した比較です。会社は収益予想を公表しておらず参考良好の売上・EPS按分比較は対象外。厳格は発表前市場予想未取得、次点は対応する会社予想4条件がそろわず成立しません。確認は短信・予想修正・公式説明資料の公開内容までで、説明会の未確認発言は使っていません。
一次出所・確認日2026年11月2日
コメント