「シャウエッセン」の日本ハム。販売が伸びても、豪州牛肉の採算悪化と原料高が利益を圧迫しました。在庫に必要な現金も増え、食品業界では売上・利益・資金回収を分けて読む大切さが表れています。
2027年3月期中間、2026年4~9月、IFRS連結。11月2日15:40発表。売上高は7,225.99→7,693.58億円、6.5%増。一方、会社独自の事業利益は363.41→288.06億円、20.7%減、事業利益率は約5.03→3.74%へ低下しました。親会社利益は231.88→173.94億円、25.0%減です。事業利益は会社所定の為替差損益・IFRS調整等を含む独自指標で、通常の営業利益へ読み替えません。
加工事業の売上は2,703.86億円、4.7%増でも事業利益は13.42億円、40.1%減。主力ブランドや北米販売の回復よりも原料・物流費の負担が大きくなりました。食肉は売上5,518.86億円、8.9%増、事業利益202.70億円、26.8%減。豪州の生体価格上昇と販売価格低迷、飼料・人件費等の上昇が響いています。
対してスポーツ・エンターテイメントは売上251.67億円、10.6%増、事業利益96.23億円、14.6%増でした。来場・飲食等の改善と食品事業の採算悪化は別の動きです。前年セグメント数値は区分変更と全社費用配賦変更を反映した比較で、各部門売上を単純合算して連結売上とみなしません。
営業CFは424.63億円の流入から97.62億円の流出へ転じました。在庫増307.63億円、その他負債減130.39億円、納税171.07億円が主な流出です。食肉在庫には単価上昇と数量増の両方があり、増収が同額の現金回収につながるわけではありません。借入による調達を本業の現金創出とは区別します。
通期の売上予想1兆5,000億円は据え置く一方、事業利益を610→500億円、18.0%下方修正。親会社利益も380→350億円へ修正しました。会社は製造コストや豪州生体・飼料価格の上昇を説明しています。火災保険金収入による利益押し上げは、恒常的な食肉採算の回復と分けて読みます。
会社が直接示していた中間計画は売上7,450億円・事業利益340億円。実績は売上が243.58億円、3.3%上回っても、事業利益は51.94億円、15.3%下回りました。売上計画を超えたことだけでは、値上げがコスト増を十分に吸収したとはいえません。10月1日の1対3分割による配当180→60円は実質据え置きで、減配と混同しません。
会計士の読み方:数量・価格、調達コスト、在庫の資金負担、非経常収入を分けると持続性が見えます。次は豪州の生体と販売価格の差、国内の価格転嫁・数量、在庫回転と回収です。同社だけで食品業界全体の需要悪化を断定せず、各社の調達地域と製品構成を比較したいところです。
選定は11月2日の日経225公式構成によります。参考良好は、発表前通期売上1兆5,000億円と分割後換算EPS134.56円の単純50%に対し、売上は超過、実績基本EPS62.26円は67.28円未達で非該当。季節性未調整の参考進捗です。厳格は同期間の発表前市場予想未取得、次点は翌年度12か月会社予想未公表による対象外。
一次出所・確認日2026年11月2日
- https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261101562006.pdf
- https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261101562008.pdf
- https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261101562011.pdf
- https://www2.jpx.co.jp/disc/22820/140120260802506003.pdf
- https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/component?idx=nk225
- https://www.nipponham.co.jp/products/ham_sausages/sausages/win/2125/
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