JPXの中間決算から見る市場インフラ業界|現物株が牽引、活況の広がりはまだら

JPX決算から見る市場インフラ業界。現物株の活況と市場・商品の違い、担保管理収益と費用を整理。

東京証券取引所の株式売買市場や「arrownet」の接続サービスを担う日本取引所グループ。中間決算から見る市場インフラ業界の現在地は「現物株が牽引、活況の広がりはまだら」です。プライム市場の売買急増を、全市場・全商品の需要拡大とは読めません。

JPX決算から見る市場インフラ業界。現物株の活況と市場・商品の違い、担保管理収益と費用を整理。
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主要数値|2027年3月期中間期、2026年4~9月。前年の同じ6か月と比較

・営業収益1,310.02億円(+46.7%)、営業利益846.68億円(+65.1%)
・株券等の1日平均売買代金6.28→11.90兆円(+89.5%)。現物取引料は+74.3%
・立会内プライム内国株の売買代金は+103.6%。スタンダード+6.6%、グロース+2.1%と差があります
・金融デリバティブの1日平均取引高は取引単位換算後で-0.9%、商品デリバティブは-57.1%
・7~9月の営業利益409.52億円は前年同期比+57.2%ですが、4~6月の437.16億円からは6.3%減(公表値から計算)

数字の読み方

株券等の売買代金と現物取引料はともに増加。ただし増加率は一致せず、売買代金の伸びをそのまま取引所の収益成長率にはできません。金額ベースの活況から、取引株数や新規参加者数の増加まで断定することもできません。

もう一つの増収要因は、金利スワップ取引の担保管理です。会社資料では関連収益等の増加97.60億円に対し、参加者への返戻を含む関連費用等も64.66億円増えています。差額は32.94億円ですが、単独の事業利益そのものではありません。担保管理収益を除く営業収益も前年同期比38.0%増で、増収を担保管理だけで説明することもできません。

業界への示唆

市場インフラには、株式の取引・清算だけでなく、相場情報や接続サービスにも収益源があります。JPXの情報関連収益は15.7%増、システム関連収益は5.6%増。ただし相場情報・指数収入にも市況の影響があり、すべてを安定的な固定収入とはみなしません。
今回確認できるのはJPX運営市場の動きです。他の取引施設や証券会社、海外取引所も同じ伸びとは一般化しません。前年からの高成長と、直前四半期からの減速は両立します。

次に確認する点

①月次の売買代金がプライム以外にも広がるか。9月の株券等売買代金は10.3兆円で、通期会社予想の前提11兆円を下回っています。ただし単月だけで通期未達とは判断できません。
②担保管理収益と返戻費用の差額、情報・接続サービスの伸びが継続するか。今回の決算短信にキャッシュ・フロー計算書はなく、利益と営業CFの整合性はこの資料だけでは評価していません。

対象・条件

日本取引所グループ(8697)。2027年3月期中間期/IFRS連結。発表日2026年10月27日。日経225の公式構成銘柄として選定した業界分析で、通常の厳格・次点・参考良好による選別とは別です。金融インフラのサービス紹介であり、金融商品の購入推奨ではありません。アフィリエイトリンクは掲載していません。

出所:
決算短信(経営成績・事業説明)
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261026556190.pdf
決算概要(5~7・11・13ページほか)
https://www.jpx.co.jp/corporate/investor-relations/ir-library/financial-info/J_EM_JPX_Q2FY2026.pdf
日経225公式構成銘柄
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/component?idx=nk225
確認:2026年10月27日

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